主要な発見
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著者の知る限り、タイセイヨウクロマグロの“前方視点”の動物装着ビデオ映像を初めて撮影した。
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映像には、装着個体の前方を泳ぐ他のマグロと遭遇する場面が複数回記録された(一方、期待された摂餌シーンは今回は写っていなかった)。
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10日間の調査でタイセイヨウクロマグロ3個体へのロガー装着に成功。滞在中に出会った最大個体の推定体重は397kgにのぼった。
調査の概要
調査は2023年9月下旬〜10月はじめ、カナダ・ノヴァスコシア州ケープブレトン島のポートフッド(ニシンの産卵場に近い港町)で実施。ニシンを求めて、マグロのほかミンククジラ・ハイイロアザラシ・ミズナギドリなど多くの海洋動物が集まる海域である。
タイセイヨウクロマグロ(Thunnus thynnus)は大西洋に広く分布し、日本で主に流通するクロマグロ(Thunnus orientalis)とは別種。回遊経路はポップアップタグ研究で分かってきたが、微細な時間スケールの行動には未解明な点が多く、本調査はデータロガー/ビデオロガーでそこに迫るものである。
スタンフォード大学のバーバラ・ブロック教授(2006年ごろから当地でクロマグロ実験)のチームに、東京大学の松田康佑氏・吉田誠氏が参加して実施。竿釣りで釣り上げた個体を船上で計測・標識し、ロガーを装着して放流する。
使用機材と役割
当社ニュースによれば、本調査で用いられたビデオロガーは当社の水中ビデオロガー「LoggLaw CAM」(会報本文では機種名の記載なし)。動物装着型で、マグロ目線の映像を記録する。
位置・深度などを記録するデータロガーと組み合わせることで、回遊経路だけでは見えない“その瞬間の行動”に迫れる。大型外洋魚で前方視点映像という新しい観察軸を得た点に意義がある。
意義・なぜ重要か
タイセイヨウクロマグロは資源量の減少が懸念される重要種であり、微細な行動の直接観察は資源管理・保全の基礎情報として価値が高い。
当社のビデオロガーが、国際的な大型回遊魚研究(スタンフォード大学×東京大学)に活用された事例となった。
共著者・連携機関
- 松田康佑(東京大学大学院 農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻) ― 会報「カナダでのマグロ調査」執筆
- 吉田誠(東京大学大学院 農学生命科学研究科・ポスドク)
- バーバラ・ブロック教授(スタンフォード大学) ― 共同調査チーム
出典
日本バイオロギング研究会 会報 第209号(2024年1月1日)
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解説・執筆
京都大学大学院情報学研究科出身、UC Santa Cruz 環境学部卒。日本発のバイオロギング機器メーカー Biologging Solutions株式会社の共同創業者として、自治体・大学・国際コンソーシアムへの当社製品の導入を推進している。
南極でペンギンに装着したビデオロガーによる行動研究をはじめ、自身もバイオロギング研究者として現場経験を持つ。Biologging Solutions株式会社の共同創業者として、研究現場のニーズに直結する小型データロガー・GPS首輪・ビデオロガーの開発を主導している。