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キングペンギンが暗い深海で魚を捕る瞬間を世界初撮影 — 上昇中の高い捕食成功率

査読論文Ecology2025年5月28日
解説・執筆: 小泉 拓也 ・ 野田 琢嗣公開: 2025年5月28日更新: 2026年5月31日
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主要な発見

  1. 1

    平均128±31mの暗い深海で、キングペンギンが魚を捕食する瞬間を動物装着ビデオで世界初記録した。

  2. 2

    約1時間半の映像から136回の捕食試行を確認し、うち118回が成功(成功率86.8%)。暗所での高い捕食能力が示された。

  3. 3

    捕食イベントの81.6%が潜水の上昇局面で発生。獲物を下から狙い上げる採餌戦術が示唆された。

  4. 4

    魚はペンギンの接近に気づかないまま捕まるか、捕食の約0.1秒前にようやく回避行動をとった。ペンギンは数メートル手前から狙いを定めていた。

調査の概要

調査地はインド洋南部・ケルゲレン諸島の Ratmanoff コロニー(南緯49°14′、東経70°33′付近)。対象はキングペンギン(Aptenodytes patagonicus)。

太陽光がほとんど届かない深海での採餌行動を、赤色LED光源付きの小型ビデオロガーと深度センサーで記録した。

使用機材と役割

使用されたのは当社の水中ビデオロガー「LoggLaw CAM」。動物への影響を抑える赤色LED照明を備え、光の乏しい深海でも採餌行動を撮影できる。

映像と深度データを同期させることで、「いつ・どの深度で・どのように」魚を捕えたかを定量的に解析できた。位置や深度の数値データだけでは捉えられない、捕食の瞬間そのものを可視化した点に意義がある。

意義・なぜ重要か

暗所の深海という観察が難しい環境で、捕食の成功・失敗とその瞬間の獲物の反応までを定量化できたことは、海洋捕食者の採餌生態の理解を大きく前進させる。

当社のビデオロガーが、行動生態学の主要な査読誌での成果創出に貢献できることを示す事例となった。

共著者・連携機関

  • 上坂怜生 / Leo Uesaka(東京大学 大気海洋研究所 / フランス・シゼ生物学研究所 CNRS)― 筆頭著者
  • Charles André Bost(フランス・シゼ生物学研究所 CNRS / ラ・ロシェル大学)
  • 佐藤克文 / Katsufumi Sato(東京大学 大気海洋研究所)
  • 坂本健太郎 / Kentaro Q. Sakamoto(東京大学 大気海洋研究所)

出典

Leo Uesaka, Charles André Bost, Katsufumi Sato, Kentaro Q. Sakamoto (2025) Deep-sea ascending predation by king penguin and its prey reaction observed by animal-borne video camera. Ecology.

https://doi.org/10.1002/ecy.70117

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解説・執筆

小泉 拓也
Biologging Solutions株式会社 共同代表取締役

京都大学大学院情報学研究科出身、UC Santa Cruz 環境学部卒。日本発のバイオロギング機器メーカー Biologging Solutions株式会社の共同創業者として、自治体・大学・国際コンソーシアムへの当社製品の導入を推進している。

野田 琢嗣
Biologging Solutions株式会社 共同代表取締役

南極でペンギンに装着したビデオロガーによる行動研究をはじめ、自身もバイオロギング研究者として現場経験を持つ。Biologging Solutions株式会社の共同創業者として、研究現場のニーズに直結する小型データロガー・GPS首輪・ビデオロガーの開発を主導している。

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